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~世界の片隅から~

徒然にレビュー(2月前半分)

読んだ本のレビュー。
月一で更新していきたいです。
 
2月は日数が短かったのにもかかわらず、本、漫画、映画とかなり読んだり、観たりしたので前半と後半の2回にわけてレビューを書ければ。
リハビリも兼ねて新書や学術書も読み始めたので、そういうのが多くなりますが気になって読んでいただければ幸いです。

というわけで、2月前半。主に本です。

1.『日本の参謀本部』大江志乃夫

参謀本部創設から組織の成り立ちから最終的に太平洋戦争に負ける組織になってしまった変遷を述べている。
本来は軍事が政治目的の手段はずが、政治が軍事目的の手段に倒錯してしまったことに言及しており、それが最後まで気づかなかったのが大きな問題であったと指摘している。
また、日露戦争の経験を活かせず(これは司馬遼太郎の『坂の上の雲』でも言及されている)、さらに第一次世界大戦という世界初の近代総力戦へ査察も出さず、研究も行わなかったことが15年戦争という悲惨な戦争を起こしたと言及している。
政局より軍事、戦略より戦術、組織の硬直化と人事の退廃、理論研究の軽視が戦前の日本をミスリードしたといえる。
著者もあとがきで述べている通り、参謀本部という陸軍側から観るのではなく、軍令部という海軍側からも学ぶ必要があるだろう。

日本の参謀本部 (中公新書 (765))/中央公論社
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2.『思い出のマーニー』ジョーン・G.ロビンソン
 
ジブリの同名映画の原作。
実家に読み終わったのが放置されてたので、もらってきた。
映画の設定は原作のままでよかったのでは?と思う。
 
内側の人と外側の人。
既に血の繋がった親、親戚がいないアンナにとっては、より鮮明に感じられただろう。
マーニーに出会って別れるまでの前半とマーニーが何者だったのかという真実へ近づく後半。
外側の寂しさを味わっていたアンナがどんどん内側の暖かさを知っていく物語。
 
 
叔母にこれは面白かったと勧めれらた作品。
 
珍しく村上作品にしては哲学的要素が少なかった。
不明な点がいくつかあるけれど、これは村上作品らしい。
 
以前の作品とストーリーも年代も違うが、仲間から外れてしまった(意図的に外された、外れたともいう)男という村上ワールド全開の主人公。
そして、その孤独感を解決するために過去と向き合う主人公。つまり、自分探しという村上ワールドなのですが。
過去に向かい合ってそれを克服することは痛みを伴うし、嫌なこともある。しかし、最低限ポイントとなった過去と向かい合わなければ、未来がないと思わせられた作品。
 
4.『パラレルワールド・ラブストーリー 』東野圭吾

記憶改変された主人公の話。
東野圭吾が得意とする作風の一つ。個人的にはこの作風のほうが好き。
場面が過去と現在を行き来するので、しっかりどちらにいるかを把握しておく必要があるが、慣れてくれば面白い。
また、作品の中で全てを完結させるのではなく、余韻が残してあって最終的に主人公たちの関係がどうなったのかが気になる。
5.『仇敵』池井戸潤

池井戸作品の典型的ストーリー。
地方銀行の庶務行員(元大手メガバンクのエリート)主人公が古巣の上層部の不正を暴く作品。
いつもと違うのは、主人公が総合職ではなく庶務行員ということ(前職は大手メガバンクの総合職だが)と既に組織の外の人間ということ。
巨悪な不正を暴く話は池井戸作品の十八番。

仇敵 (講談社文庫)/講談社
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以上がなんとか思い出しながら書いた2月の前半。
1~2週間以内で後半も書ければといいつつ、残りは漫画とかが多いので手抜きになるかもですが(苦笑)
3月も読みたい本、読まなくちゃいけない本に埋もれているので時間見つけながら、感想をメモしながら読み進めようと思います。
あー、推し事もしなくちゃ(苦笑)