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~世界の片隅から~

徒然にレビュー(3月編)

Snshiです。

3月に読んだ本、漫画、雑誌のレビューを。

といっても、いつもながら個人的な感想文ですが。 

 

1.『現代政治学入門』バーナード・クリック
邦題の『現代政治学入門』でもよいが、原題の『What is Politics?』のほうが的確に内容を表している。
「政治とは何か?」というよりは「政治学とは何か?」という内容である。
本書はあくまでアメリカ式の「政治科学」ではなく、イギリス式の「政治研究」について述べているが、個人的にはこのイギリス式の方が親しみやすい。
読者想定を大学の新入生としているが、政治学を学ぶとはどういうことなのか、どういうアプローチをしていくべきなのかということを様々な角度から説明してくれている。
なので、手っ取り早く今の政治について知りたい人には向かない。
本書でも述べているとおり政治学は、「方向性」をもったり、「プログラム性」をもった学問ではなく、例えば、「哲学」「理論」「歴史」「経済」等の多くの事象と相互関係にある学問かつそれを自由に放浪する学問だからであるということがよくわかる。
これは丸山眞男が行っていた研究スタイルに近いというかほぼそのものであろう。
初版が1990年と多少内容的に古い事柄もあるが、政治学入門書としては十二分に耐える作品だと思う。

現代政治学入門 (講談社学術文庫)

現代政治学入門 (講談社学術文庫)

 

 

2.『レッドスワンの絶命』綾崎隼
著者のデビュー5周年にして、2度目の単行本作品。通算16作品目。
サッカー大好きな著者がその楽しさを伝えようとした一作。
過去のシリーズと違い恋愛的要素は少なく、青春要素が強いサッカー小説。
作品の半分をしめ肝である試合には、それこそ今目の前で試合が行われているような迫力感があり、一気にその世界に引き込まれる。
サッカーに馴染みがない読者向けに図等を用いての用語解説ページがある。高校サッカーが題材ということもあり、ユース年代の大会についても多少ながら知ることができる。
著者のファンとしては、お約束の過去の作品の登場人物がゲストとして登場するのも嬉しい。
作品に具体的な年月日が表記されているため、過去作品の時間軸の解明のヒントにも。
推薦文は元日本代表の中山雅史

レッドスワンの絶命

レッドスワンの絶命

 

 

3.『かばん屋の相続 』池井戸潤

短篇集。
池井戸作品は長編が多くとっかかりにくいが、これは短篇集なのでとっかかりにはいいと思う。
それぞれ銀行を巻き込んだ悲喜こもごものストーリーなのだが、標題になっている作品が個人的には好き。
必ずともハッピーエンドにならないところが、池井戸作品の深みだと感じさせてくれる。

かばん屋の相続 (文春文庫)

かばん屋の相続 (文春文庫)

 

 

4.『卒業』東野圭吾
借りた本。
貸し手の期待をいい意味で裏切り、個人的にヒット。
高校までやっていた剣道が出てきたのが大きい。
茶道は全く門外だが、雪月花のトリックはよく考えたなと思う。
まぁ、実際にそれを実行して上手く行くにはかなり難しいんだろうけど。
学生時代を共にした仲間がどんどん亡くなっていくのは、非常に心が痛い。
その動機は非常に筋が通ってるものであり、読み応えがある。
同じ学園ものの『放課後』より文章がこなれてていて、読みやすい。
この『卒業』の加賀恭一郎はシリーズ化されているが、確かにシリーズ化したい(その人生をみてみたい)という興味を抱く人物であろう。
というわけで、加賀恭一郎シリーズを読んでみたい今日このごろ。

卒業 (講談社文庫)

卒業 (講談社文庫)

 

 

5.『檸檬』梶井基次郎
高校の時に現代文の教科書に載っていて、それで読んで以来。
短編なのだが、その文体のリズム感がいい。
描写が鮮やかで色彩、雰囲気、匂い、音が文章を通して感じられる。
梶井は若くして亡くなったわけだけど、それがさらにこの作品の評価を上げている気がする。

檸檬

檸檬

 

 

6.『アンコールが3回(1)・(2)くらもちふさこ

実家にあるくらもちふさこ作品の一つ。
古い作品で、出てくるものもいちいち古いのだが、それを乗り越えて夢中にさせてくれる作品。
ラストのシーンが印象的。

アンコールが3回 (1) (集英社文庫―コミック版)

アンコールが3回 (1) (集英社文庫―コミック版)

 

 

7.『月のパルス(1)・(2)』くらもちふさこ
絵は初期の方が好きだけど、通常の少女マンガとは違いベタ甘感がないのがよい。
主人公がまわし役という作品。

月のパルス (1) (クイーンズコミックス―コーラス)

月のパルス (1) (クイーンズコミックス―コーラス)

 

 

8.『おばけたんご』くらもちふさこ
なんとなくくすぐったい作品。
主人公がずっと抱き続けてきた罪悪感が重く切ないものがあり、いろいろと考えさせられる。

おばけたんご (マーガレットコミックス)

おばけたんご (マーガレットコミックス)

 

 

9.『罪と罰手塚治虫
借りた漫画。
原作はドストエフスキーの同名小説。
この漫画で把握できたような気がするので、どっかのタイミングで原作を読んでみたい。

罪と罰

罪と罰

 

 

10.『月刊MdN 2015年 4月号』
乃木坂46をCDジャケット、映像作品、衣装等のクリエイティブな側面からの特集。
自分が初めてMVを見た時にAKBに比べてクオリティが高いと思った理由の一端がわかった気がする。
アイドルというとどうしてもメンバーやグループのストーリーに対しスポットが当たりがちだが、乃木坂はメンバーやグループだけでなく、その制作物への意識の高さ、クオリティの高さがあるということを改めて認識。
そして、これこそがAKBGや他のグループと一線を画している理由の一つなのであろう。
また、メンバーにクリエイティブよりのメンバーが多いのもうなずける。
乃木坂がありなら、Perfumeとかも特集してみて欲しい。

 

11.『OVERTURE No.002(2015 Mar)』
乃木坂46伊藤万理華の特集があったので購入。
1年ぶりに選抜ということもあるだろうが、フロントメンバーでもない彼女が特集されることはまれ。
しかし、個人的には現在のフロント大人メンが卒業した時に、彼女が軸の1人になると思っているので、期待している。

OVERTURE No.002 (タウンムック)

OVERTURE No.002 (タウンムック)

 

 

12.『オーデュボンの祈り』伊坂幸太郎
借りた本。
伊坂幸太郎のデビュー作品。
ありえない設定だからこそ、これはどこでどう終わるんだろうと思わせてくれる作品。
ただ、非常に長いので途中で退屈してしまった。

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

 

 

13.『失はれる物語』乙一
借りた本。
個人的には、肌に合わないなーと。
なんとなく全体的に軽い感じがしてしまった。

失はれる物語 (角川文庫)

失はれる物語 (角川文庫)

 

 

14.『暁のヨナ 17』草凪みずほ

暁のヨナ 17 (花とゆめコミックス)

暁のヨナ 17 (花とゆめコミックス)

 

 

15.『帝一の國 10』古屋兎丸

帝一の國 10 (ジャンプコミックスDIGITAL)
 

 

16.『月刊少女野崎くん(6)』椿いづみ

 

17.『EX (イーエックス) 大衆 2015年 4月号 』

 

EX (イーエックス) 大衆 2015年 4月号 [雑誌]
 

 

3月はまぁこんな感じでした。

個人的には『アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE48』をなんとか観れたのが良かった。

もちろん、パンフレットもゲット。

次は乃木坂のドキュメンタリー映画を楽しみに。

 

本以外のことも書きたいのだけど、別に書くネタもないという日常です。

なんかないかな~。

徒然にレビュー(2月後半)

Snashiです。

前回は2月前半のレビューだったので、2月の後半レビューを。

といっても漫画中心ですが。

 

1.『エースと呼ばれる人は何をしているのか』夏まゆみ

借りた本。

筆者はモーニング娘。AKB48の振付師をやった夏まゆみ

前田敦子安倍なつみがセンターに立った理由、意味をその当時の状況とともに説明してくれる。

また、センターとエースとの差、エースとはどういう人をエースというのか、どうすればエースになることができるかを解説してくれている。

アイドルヲタ向けでもあるが、働いてて壁にぶつかってる人にもオススメな一冊。

 

 

エースと呼ばれる人は何をしているのか

エースと呼ばれる人は何をしているのか

 

 

2.『イシュタルの娘~小野於通伝~(1~5)』大和和紀

大和和紀の代表作は制覇している自分ですが、最新作で小野於通を主人公にしている漫画を書いていると知り、集めに入る。

安土桃山~江戸初期の時代をどう描き、どのように歴史上の人物とからめていくのか(小野於通も存在した人物ですが)が気になります。

 

 

イシュタルの娘?小野於通伝?(1)

イシュタルの娘?小野於通伝?(1)

 

 

3.『AKB49~恋愛禁止条例~(23)』宮島礼吏

AKB48SKE48でミュージカル化された男子高校生がAKB48に入ったらというフィクションとノンフィクションをまぜた作品の原作。

ミュージカルでは初期の研究生公演がメインだが、最新刊では主人公たちが全グループの兼任を終え、総選挙で大島優子と対決を挑むというだいたい2013年の総選挙前夜の話。

 

 

AKB49~恋愛禁止条例~(23)特装版 (プレミアムKC 週刊少年マガジン)

AKB49~恋愛禁止条例~(23)特装版 (プレミアムKC 週刊少年マガジン)

 

 

4.『弱虫ペダル 38』渡辺航

2年目のインターハイ

主人公得意の坂道なのに、その舞台には主人公がいないというレース展開。

まだまだ、わからない2年目インターハイ

 

 

弱虫ペダル 38 (少年チャンピオン・コミックス)
 

 

5.『イタズラなKiss(フルカラー版)10~12』多田かおる

 

イタズラなKiss(フルカラー版):10

イタズラなKiss(フルカラー版):10

 

 

2月はこんな感じでした。

3月分は読んだたびに簡単にレビューを書いてるので少しまともかもしれないです。

オススメの本とか漫画あれば教えてくださ~い!

徒然にレビュー(2月前半分)

読んだ本のレビュー。
月一で更新していきたいです。
 
2月は日数が短かったのにもかかわらず、本、漫画、映画とかなり読んだり、観たりしたので前半と後半の2回にわけてレビューを書ければ。
リハビリも兼ねて新書や学術書も読み始めたので、そういうのが多くなりますが気になって読んでいただければ幸いです。

というわけで、2月前半。主に本です。

1.『日本の参謀本部』大江志乃夫

参謀本部創設から組織の成り立ちから最終的に太平洋戦争に負ける組織になってしまった変遷を述べている。
本来は軍事が政治目的の手段はずが、政治が軍事目的の手段に倒錯してしまったことに言及しており、それが最後まで気づかなかったのが大きな問題であったと指摘している。
また、日露戦争の経験を活かせず(これは司馬遼太郎の『坂の上の雲』でも言及されている)、さらに第一次世界大戦という世界初の近代総力戦へ査察も出さず、研究も行わなかったことが15年戦争という悲惨な戦争を起こしたと言及している。
政局より軍事、戦略より戦術、組織の硬直化と人事の退廃、理論研究の軽視が戦前の日本をミスリードしたといえる。
著者もあとがきで述べている通り、参謀本部という陸軍側から観るのではなく、軍令部という海軍側からも学ぶ必要があるだろう。

日本の参謀本部 (中公新書 (765))/中央公論社
¥821
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2.『思い出のマーニー』ジョーン・G.ロビンソン
 
ジブリの同名映画の原作。
実家に読み終わったのが放置されてたので、もらってきた。
映画の設定は原作のままでよかったのでは?と思う。
 
内側の人と外側の人。
既に血の繋がった親、親戚がいないアンナにとっては、より鮮明に感じられただろう。
マーニーに出会って別れるまでの前半とマーニーが何者だったのかという真実へ近づく後半。
外側の寂しさを味わっていたアンナがどんどん内側の暖かさを知っていく物語。
 
 
叔母にこれは面白かったと勧めれらた作品。
 
珍しく村上作品にしては哲学的要素が少なかった。
不明な点がいくつかあるけれど、これは村上作品らしい。
 
以前の作品とストーリーも年代も違うが、仲間から外れてしまった(意図的に外された、外れたともいう)男という村上ワールド全開の主人公。
そして、その孤独感を解決するために過去と向き合う主人公。つまり、自分探しという村上ワールドなのですが。
過去に向かい合ってそれを克服することは痛みを伴うし、嫌なこともある。しかし、最低限ポイントとなった過去と向かい合わなければ、未来がないと思わせられた作品。
 
4.『パラレルワールド・ラブストーリー 』東野圭吾

記憶改変された主人公の話。
東野圭吾が得意とする作風の一つ。個人的にはこの作風のほうが好き。
場面が過去と現在を行き来するので、しっかりどちらにいるかを把握しておく必要があるが、慣れてくれば面白い。
また、作品の中で全てを完結させるのではなく、余韻が残してあって最終的に主人公たちの関係がどうなったのかが気になる。
5.『仇敵』池井戸潤

池井戸作品の典型的ストーリー。
地方銀行の庶務行員(元大手メガバンクのエリート)主人公が古巣の上層部の不正を暴く作品。
いつもと違うのは、主人公が総合職ではなく庶務行員ということ(前職は大手メガバンクの総合職だが)と既に組織の外の人間ということ。
巨悪な不正を暴く話は池井戸作品の十八番。

仇敵 (講談社文庫)/講談社
¥637
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以上がなんとか思い出しながら書いた2月の前半。
1~2週間以内で後半も書ければといいつつ、残りは漫画とかが多いので手抜きになるかもですが(苦笑)
3月も読みたい本、読まなくちゃいけない本に埋もれているので時間見つけながら、感想をメモしながら読み進めようと思います。
あー、推し事もしなくちゃ(苦笑)