Snshiです。
3月に読んだ本、漫画、雑誌のレビューを。
といっても、いつもながら個人的な感想文ですが。
1.『現代政治学入門』バーナード・クリック
邦題の『現代政治学入門』でもよいが、原題の『What is Politics?』のほうが的確に内容を表している。
「政治とは何か?」というよりは「政治学とは何か?」という内容である。
本書はあくまでアメリカ式の「政治科学」ではなく、イギリス式の「政治研究」について述べているが、個人的にはこのイギリス式の方が親しみやすい。
読者想定を大学の新入生としているが、政治学を学ぶとはどういうことなのか、どういうアプローチをしていくべきなのかということを様々な角度から説明してくれている。
なので、手っ取り早く今の政治について知りたい人には向かない。
本書でも述べているとおり政治学は、「方向性」をもったり、「プログラム性」をもった学問ではなく、例えば、「哲学」「理論」「歴史」「経済」等の多くの事象と相互関係にある学問かつそれを自由に放浪する学問だからであるということがよくわかる。
これは丸山眞男が行っていた研究スタイルに近いというかほぼそのものであろう。
初版が1990年と多少内容的に古い事柄もあるが、政治学入門書としては十二分に耐える作品だと思う。
- 作者: バーナード・クリック,添谷育志,金田耕一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/07/11
- メディア: 文庫
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2.『レッドスワンの絶命』綾崎隼
著者のデビュー5周年にして、2度目の単行本作品。通算16作品目。
サッカー大好きな著者がその楽しさを伝えようとした一作。
過去のシリーズと違い恋愛的要素は少なく、青春要素が強いサッカー小説。
作品の半分をしめ肝である試合には、それこそ今目の前で試合が行われているような迫力感があり、一気にその世界に引き込まれる。
サッカーに馴染みがない読者向けに図等を用いての用語解説ページがある。高校サッカーが題材ということもあり、ユース年代の大会についても多少ながら知ることができる。
著者のファンとしては、お約束の過去の作品の登場人物がゲストとして登場するのも嬉しい。
作品に具体的な年月日が表記されているため、過去作品の時間軸の解明のヒントにも。
推薦文は元日本代表の中山雅史。
- 作者: 綾崎隼,ワカマツカオリ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2015/03/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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3.『かばん屋の相続 』池井戸潤
短篇集。
池井戸作品は長編が多くとっかかりにくいが、これは短篇集なのでとっかかりにはいいと思う。
それぞれ銀行を巻き込んだ悲喜こもごものストーリーなのだが、標題になっている作品が個人的には好き。
必ずともハッピーエンドにならないところが、池井戸作品の深みだと感じさせてくれる。
4.『卒業』東野圭吾
借りた本。
貸し手の期待をいい意味で裏切り、個人的にヒット。
高校までやっていた剣道が出てきたのが大きい。
茶道は全く門外だが、雪月花のトリックはよく考えたなと思う。
まぁ、実際にそれを実行して上手く行くにはかなり難しいんだろうけど。
学生時代を共にした仲間がどんどん亡くなっていくのは、非常に心が痛い。
その動機は非常に筋が通ってるものであり、読み応えがある。
同じ学園ものの『放課後』より文章がこなれてていて、読みやすい。
この『卒業』の加賀恭一郎はシリーズ化されているが、確かにシリーズ化したい(その人生をみてみたい)という興味を抱く人物であろう。
というわけで、加賀恭一郎シリーズを読んでみたい今日このごろ。
5.『檸檬』梶井基次郎
高校の時に現代文の教科書に載っていて、それで読んで以来。
短編なのだが、その文体のリズム感がいい。
描写が鮮やかで色彩、雰囲気、匂い、音が文章を通して感じられる。
梶井は若くして亡くなったわけだけど、それがさらにこの作品の評価を上げている気がする。
6.『アンコールが3回(1)・(2)』くらもちふさこ
実家にあるくらもちふさこ作品の一つ。
古い作品で、出てくるものもいちいち古いのだが、それを乗り越えて夢中にさせてくれる作品。
ラストのシーンが印象的。
7.『月のパルス(1)・(2)』くらもちふさこ
絵は初期の方が好きだけど、通常の少女マンガとは違いベタ甘感がないのがよい。
主人公がまわし役という作品。
8.『おばけたんご』くらもちふさこ
なんとなくくすぐったい作品。
主人公がずっと抱き続けてきた罪悪感が重く切ないものがあり、いろいろと考えさせられる。
9.『罪と罰』手塚治虫
借りた漫画。
原作はドストエフスキーの同名小説。
この漫画で把握できたような気がするので、どっかのタイミングで原作を読んでみたい。
10.『月刊MdN 2015年 4月号』
乃木坂46をCDジャケット、映像作品、衣装等のクリエイティブな側面からの特集。
自分が初めてMVを見た時にAKBに比べてクオリティが高いと思った理由の一端がわかった気がする。
アイドルというとどうしてもメンバーやグループのストーリーに対しスポットが当たりがちだが、乃木坂はメンバーやグループだけでなく、その制作物への意識の高さ、クオリティの高さがあるということを改めて認識。
そして、これこそがAKBGや他のグループと一線を画している理由の一つなのであろう。
また、メンバーにクリエイティブよりのメンバーが多いのもうなずける。
乃木坂がありなら、Perfumeとかも特集してみて欲しい。
月刊MdN 2015年 4月号(特集:乃木坂46 歌と魂を視覚化する物語)
- 作者: MdN編集部
- 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション
- 発売日: 2015/03/06
- メディア: 雑誌
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11.『OVERTURE No.002(2015 Mar)』
乃木坂46の伊藤万理華の特集があったので購入。
1年ぶりに選抜ということもあるだろうが、フロントメンバーでもない彼女が特集されることはまれ。
しかし、個人的には現在のフロント大人メンが卒業した時に、彼女が軸の1人になると思っているので、期待している。
12.『オーデュボンの祈り』伊坂幸太郎
借りた本。
伊坂幸太郎のデビュー作品。
ありえない設定だからこそ、これはどこでどう終わるんだろうと思わせてくれる作品。
ただ、非常に長いので途中で退屈してしまった。
13.『失はれる物語』乙一
借りた本。
個人的には、肌に合わないなーと。
なんとなく全体的に軽い感じがしてしまった。
17.『EX (イーエックス) 大衆 2015年 4月号 』
3月はまぁこんな感じでした。
個人的には『アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE48』をなんとか観れたのが良かった。
もちろん、パンフレットもゲット。
次は乃木坂のドキュメンタリー映画を楽しみに。
本以外のことも書きたいのだけど、別に書くネタもないという日常です。
なんかないかな~。